退職代行はあなたの代りに退職意向を伝えてくれるサービスですが、利用する際退職届はどうすべきか、みなさんご存知でしょうか?代筆できるのか、そもそも出すべきなのか、退職届に関する悩みは以外に多いもの。そこで今回は退職代行利用時の退職届の書き方&出し方を詳しく解説したいと思います。

- 案内人
『退職希望者』と『退職代行業者』の懸け橋になることを目標に本プロジェクトを立ち上げる。自分たちの退職時の経験から悩みに寄り添い、安心して利用できる退職代行業者のみを紹介する。

退職代行は退職届も出してくれる?
退職の意向を伝えるだけでなく、退職代行に退職届の代筆も任せたい…そう思う方は多いでしょう。では実際のところどうなのか、ここではその答えを確認していきましょう。
退職届の代筆は原則不可!
結論からいうと、退職代行は基本的に退職届の代筆を行えません。退職届はあなたの退職を証明する書類であり、本人の意思で書いたことが分かる自筆の提出が求められるためです。
療養中など特別な理由がない場合は、退職代行を利用しても退職届は自分で書く必要があると覚えておきましょう。
弁護士・行政書士なら依頼可能
退職代行サービスの代筆は基本的にNGですが、書類作成の資格がある弁護士や行政書士なら退職届の代筆・郵送も可能です。退職届を書くのが億劫という方は、弁護士や行政書士運営の退職代行を探してみるといいでしょう。
ただし書類作成は追加料金となるケースがほとんどで、代行料金に加え10,000円前後かかることにご注意ください。
退職届の書き方&出し方
それではここで、退職届の書き方と出し方についてチェックしていきましょう。書く際ネックとなる文章は見たまま使えますから、退職届のバイブルとしてぜひご活用ください。
1.退職届の用紙と封筒を用意する
退職が承認されたら、まずは退職届を書く用紙や封筒を用意するところから始めましょう。退職代行サービスからテンプレートをもらえる場合、そちらを活用すると便利です。
書くもの
黒のボールペン(油性・水性どちらでも可)または万年筆。
用紙
B5またはA4の白地の紙。罫線なしか、ビジネス向けのシンプルな罫線入りのものを選ぶ。
退職届を入れる封筒
郵便番号枠のない白地の封筒。二重構造で中が空けないタイプがベスト。
郵送用の封筒
郵便番号枠がある白地の封筒。退職届を入れるものより大きいサイズを選ぶ。
それぞれのサイズ
用紙 | 退職届を入れる封筒 (郵便番号枠なし) | 郵送用の封筒 (郵便番号枠あり) |
---|---|---|
B5 | 長形4号 | 長形3号 |
A4 | 長形3号 | 角形5号 |
2.形式に沿って退職届を書く
必要なものを揃えたら、次は退職届を書いていきましょう。縦書き・横書きどちらでもOKで、捺印以外はパソコンで書いても問題ありません。書きやすいやり方で進めてみてください。

冒頭
行の中央に「退職届」と記載する。
導入
行の下部に「私儀」と記載する。
本文
退職理由と退職日を記載します。なお横書きの場合、次の行の下部(右端)に「以上」と記載し締めること。
- 退職代行を利用する場合自己都合となるため、退職理由は「一身上の都合」。
- 退職日は西暦年月日の形式にする。
届出日
書類を郵送する日付を、西暦年月日の形式で記載する。
所属部署・氏名・捺印
行の下部に、所属部署と氏名を記載する。名前の末尾に捺印するのも忘れずに。
宛名
会社名と責任者名(社長が一般的)を、横並びまたは責任者名を一段下げて記載する。
- 会社名は正式名称で書くこと。
- 責任者名の末尾に「様」または「殿」をつけること。
3.添え状を書く
郵送で退職届を送るなら、添え状も同封するとより丁寧な印象になります。なくても問題はありませんが、余力があれば添え状も準備するといいでしょう。
こちらも縦書き・横書きどちらでもよく、パソコンで書いたものを印刷してもOKです。また退職届の時とは違い、形式は縦横どちらも変わりません。縦書きにする際は、見たままを縦書きに直して書くようにしてください。

前文
頭語に「拝啓」と記載し、少し空けてあいさつ文を続ける。
本文
次の内容について記載する。
- 退職する旨
- 退職届を送る旨
- お世話になったことへの感謝
- 結びのあいさつ
結語
行の下部に「敬具」と記載する。
4.封筒の準備をする
退職届や添え状を入れる前に、封筒の準備を整えましょう。ちなみに「〆」マークは通常封をする直前に書くものですが、ここで一緒に書き入れておくとスムーズです。
退職届を入れる封筒(郵便番号枠なし)

- 表面:中央やや上に「退職届」と記載する。
- 裏面:左下に所属部署と氏名を記載する。封の部分にあらかじめ「〆」マークを書いておく。
郵送用の封筒

- 表面:会社名と宛名(社長が一般的)を記載する。左下に赤字で「親展」と記載し、赤線で四角く囲う。
- 裏面:左下に自分の住所と氏名を記載する。封の部分にあらかじめ「〆」マークを書いておく。
5.早めに郵送で送る
ここまで準備ができましたら、いよいよ退職届の郵送です。退職届が会社に届くスピードによって退職日は早まりますから、準備ができ次第早めに送るようにしましょう。
- 退職届と添え状をそれぞれ3つ折りにする(重ねて折りたたまない)。
- 退職届を入れる封筒に3つ折りにした退職届を入れ、封をする。
- ②の上に3つ折りにした添え状をのせる。
- 郵送用の封筒に③を入れ、封をする。
- 準備ができたら早めに郵送する。
【豆知識】退職届・退職願・辞表の違い
退職届と間違いやすい書類として、退職願や辞表が挙げられます。それぞれどんな用途で使われるものなのか、せっかくなのでここでその違いをおさらいしておきましょう。
退職願
退職届の前段階として出す、「退職したいと思っています」を伝える書類。退職意向を示すことで省略となる会社が多い。
退職届
会社側の了承が得られ、退職が決まった際に出す書類。その人が退職することを証明する意味がある。省略できる会社もあるが、基本的には提出が求められる。
辞表
役職者・管理職・公務員が退職する際に提出する書類。名称が違うだけで、内容や形式は退職届と変わらない。
まとめ
退職代行サービス利用時も、基本的に退職届は自分で書かなければなりません。とはいえ難しいことはなく、こちらの記事や退職代行のテンプレートを使えば問題なく送ることができます。退職届の書き方・送り方に困ったら、ぜひこの記事を参考にしてみてください。