子どもが大好きで保育士になったのに、実際に働き始めると「向いてないかも」と思うことがあります。想像以上に激務・薄給で心の余裕がなくなり、子どもが嫌いに思えてしまうこともあるでしょう。
しかし、あなたは本当に保育士としての適性がないのでしょうか?当記事では、保育士が「向いてない」「辞めたい」と思った時に考えたいことや退職方法を紹介します。

保育士が向いていないと思ってしまう瞬間
どの職業でも、向いているかどうかは実際に働いてみないと分かりません。ここでは、多くの保育士が「向いてないかも」と気付く3つの瞬間を紹介します。
- 子どもが可愛いと思えない
- 人間関係が面倒くさい
- ピアノが弾けなくて挫折
子どもが可愛いと思えない
子供が大好きで保育士になった人でも、実際に働き始めると子どもが苦手になってしまうことは意外と多くあります。原因として大きいのが、忙しすぎて心の余裕がなくなってしまうことです。
また、特定の子どもが苦手という場合もあるでしょう。凶暴な子どもが1人でもいると、クラスの雰囲気は乱されてしまいます。いくら相手が子どもであっても、全ての子どもに対して愛情を持てないのは当然のことです。
人間関係が面倒くさい
保育士は女性が多く、人間関係がドロドロしやすい環境にあります。子ども相手の仕事は好きでも、女性同士のコミュニケーションが苦手だと仕事がうまくいきません。
男性が多い家庭環境や学校で育った人は、女性特有のコミュニケーションが苦手です。1人でいるのが好きな人も、職場内での仲間外れやいじめの対象になってしまいます。
ピアノが弾けなくて挫折
ピアノは練習度合いにもよるのですが、それでも得意不得意が出てきて、中々上達しない人も一定数存在します。毎日練習しても、中々思うように弾けなくて、心が折れてしまう先生も少なくありません。
打開策としては、ピアノ演奏ができなくても大丈夫な保育園に転職することも可能ですが、ピアノ演奏無しの保育園は数も少ないので、探すのが難しいでしょう。
本当に向いてない?保育士適正チェック
先ほど紹介した中で、当てはまった人も多いと思いますが、本当に保育士を辞めるべきなのか?と悩まれるところです。
これから紹介するチェックポイントを参考にして、本当に保育士に向いてないのかどうか簡単に自己診断してみましょう。
保育士に向いてる人
明るく思いやりがあり、責任感が強い人は保育士に向いています。人間関係や激務が辛くて「向いてない」「辞めたい」と思っている人でも、実は保育士としての適性は高いかもしれません。
以下のチェックポイントに当てはまる人は、保育士に適正があると考えられます。
- 責任感が強い
- 明るく前向きな性格
- 人と接する仕事が好き
- 子どもが好き
- 保育の仕事が好き
- 人間関係が良ければ続けたい
- 給料が挙げれば続けたい
- 保育士を辞めても子どもと関わる仕事がしたい
子どもや保育の仕事は好きで、これからも子どもと関わる仕事を続けたいと思っているなら、保育士の仕事は天職です。「人間関係」や「労働待遇」が嫌なだけなら、保育士に向いてないとはいえません。
保育士を辞めるのではなく、他の保育施設へ転園することで悩みが解決する可能性が高いです。保育園や幼稚園だけでなく、夜間保育所や学童などへの転職も検討してみてください。
保育士に向いてるけど辞めたい人は、他の保育施設に転園しよう
保育士に向いてない人
子どもと接するのが辛く、仕事が原因で心や身体に不調が出ている場合は本当に向いてない可能性が高いです。「親がすすめたから」「ピアノが好きだから」という理由で保育士になった人も、「辞めたい」と思うなら保育士に向いてないかもしれません。
以下のチェックポイントに当てはまる人は、保育士に向いてないと判断できるでしょう。
- なんとなく保育士になった
- 責任のある仕事はしたくない
- 他人の子どもは可愛いと思えない
- 保育の仕事自体が嫌い
- 人と接するのが苦手
- 人間関係や待遇は悪くないけど辞めたい
- 保育士を辞めたら子どもがいない職場へ行きたい
自分の子どもや弟・妹は可愛いと思えても、他人の子供が可愛いと思えない人は珍しくありません。保育士として働き始めてから子どもが嫌いなことに気付いた人は、保育士に向いてないといえます。
人間関係や給料が理由で辞めたいのではなく「子どもが嫌い」「保育が嫌い」なら、保育士以外の仕事に転職するべきです。責任のある仕事が嫌な人や、人と接するのが苦手な人も保育士に向いてないといえるでしょう。
保育士に向いてない人は、子どもと関わらない仕事に転職しよう
保育士を辞めるタイミング
保育士は年度途中だと辞めにくいですが、法律的には問題ありません。ここでは、保育士を辞めるタイミングについて解説します。
年度途中でも辞めたい場合
年度途中に辞めたい人は、できるだけ早く退職の意思を申し出る必要があります。まずは就業規則を確認し、いつまでに退職の意思を伝えればいいのか確認してください。
就業規則に退職に関することの記載がなければ、1ヶ月~3ヶ月前までには退職の意思を伝えましょう。退職するのが半年以上先でも、面談の機会があれば相談してしまってOKです。
法律的には、2週間前までに退職の申告をすれば問題ありません。しかし保育士の場合は引き継ぎや後任の採用などがあるので、できるだけ早めに伝えることが大切です。
やむを得ない事情で早急に退職しなければならないときは、退職予定日の2週間前までに申告をしよう
年度終わりに辞める場合
年度終わり(3月末)で退職したい場合は、12月末~1月前半までに退職の申告をしましょう。年末年始は節目のタイミングでもあり、面談する機会も作りやすい時期です。
冬休みの時期であれば、通常よりも登園する園児が少なく話し合いをする余裕も出てきます。2月~3月になると新年度へ向けての話し合いも始まるので、やはり退職するならできるだけ早めに申告することが大切です。
保育士の退職方法
ここからは、保育士が実際に退職するまでの流れを解説します。辞め方が分からなくて悩んでいる人は、参考にしてみてください!
退職の意思を伝える
退職の意思は、直属の上司に伝えるのが基本です。大切な話し合いになるので、できるだけ2人きりで面談する時間を作ってもらいましょう。
- 面談をお願いする(メール可)
- 面談のときに退職の意思を伝える
- 退職理由を具体的に伝える
- 退職する日を正式に決める
- 後日に退職届を提出する
上司に面談のお願いをするときは、メールやLINEで構いません。「相談があります」「面談のお時間を作っていただきたい」等、大切な話があることを事前に伝えましょう。
退職の意思はメールやLINEではなく、直接伝えるようにしてください。引き止められたときは、迷いを見せずに退職の決意が固いことを示しましょう。
直属の上司からパワハラやいじめを受けている場合は、園長に直接退職の意思と理由を伝えよう
退職届や各種書類を提出する
直属の上司と話し合って正式に退職する日が決まったら、改めて退職届を提出しましょう。保育園によっては独自の退職書類などを用意している場合もあるので、面談の時に必要なものはあるか確認しておくとスムーズです。
退職届や指定された書類を提出したら、正式に退職が決定したことになります。退職届が受理されるまでは、他の保育士や園児・保護者に退職することを言わないようにしましょう。
保育士への挨拶
退職が正式に決まったら、他の保育士やスタッフに退職の挨拶をします。朝礼や終礼など、スタッフが集合したタイミングで伝えさせてもらうのがベストです。
- 退職すること
- 退職予定日
- 簡単な退職理由
- 今までの感謝
- 年度途中であれば迷惑をかける事のお詫び
退職理由は詳しく伝えなくて構いません。「〇月〇日に、健康上の理由で退職することになりました」など、できるだけ手短に伝えましょう。
その上で、今まで育ててもらったことの感謝や、退職することで負担をかけることのお詫びを完結に話します。結婚や妊娠などのお祝い事が退職理由でも、挨拶の場では退職後のことまで詳しく語らないように注意してください。
- 集会がない場合は、できるだけ個別に直接挨拶しよう
- どうしても直接挨拶できない場合は、メールやLINEで連絡しよう
- 最終日には保育スタッフの人数分の菓子折りを持参しよう
業務の引き継ぎ
後任の保育士が決まったら、業務の引き継ぎを行います。忙しい時期であれば、簡単に「引継ぎノート」「引継ぎ表」などを作成しておくと便利です。
- 園児のアレルギーや疾患経験
- 園児の性格や特徴
- 保護者の性格や特徴
- 家庭環境やしつけの状況
- クラスの保育方針や状況
- 備品の置き場所
- 資料の解説
- 行事の進行方法等
- その他必要だと思うこと
園児1人1人の特徴やクラスの保育状況などを詳しく伝えます。行事がある場合は、行事の説明や進行方法なども伝えてください。
私物や備品は、正式に退職が決まる前から少しずつ片付けておこう
園児と保護者への挨拶
退職する日が近づいてきたら、園児と保護者に退職の挨拶をしましょう。保育園ごとにルールや慣習があるので、基本は園の指示に従って行動してください。
保護者には「園だより」「連絡帳」「懇談会」などで一斉に伝えるのが主流です。保育士への挨拶と同様、簡単な退職理由や大切な子供を預けてもらったことの感謝を伝えましょう。
園児には「辞めます」「退職します」といっても伝わりません。「さよならします」「遠くへ行くから会えなくなります」など、分かりやすい言葉で優しく伝えましょう。
今すぐ辞めたいときは退職代行を使おう
「今すぐ辞めたい」「二度と職場へ行きたくない」という人は、退職代行を使うことも検討してください。退職代行に頼めば、もう二度と職場へ行く必要はありません。
- 退職の連絡をしてくれる
- 職場とやり取りしてくれる
- 二度と職場へ行かなくていい
- 書類や備品のやり取りは郵送でOK
- 面倒なもめごとが一切ない
- 有給を使ってから辞められる
- 違法性がない
- ストレスなしで辞められる
基本的には直接退職の意思を伝え、挨拶や引き継ぎをして辞めるのが望ましい辞め方です。しかし、パワハラや職場内いじめなどでどうしても職場に行きたくない場合もありますよね。
退職代行を使うにはお金がかかりますし、上司や同僚には嫌な思いをさせるかもしれません。しかし、ストレスなしで合法的に辞められる手段なので、どうしても辞められないときは退職代行が使えることを覚えておきましょう。
- 最短即日で対応してもらえる
- 年度途中でも今すぐやめたいときにおすすめ
- いじめやパワハラを受けている人は遠慮なく退職代行を使おう

保育士向いてない・辞めたい人まとめ
子どもが大好きで保育士になったのに、実際に働き始めるとうまくいかないことがたくさん出てきます。想像以上に激務でプライベートの時間が取れないのに、給料がなかなか上がらないのでモチベーションも上がりません。
心の余裕がなくなって子どもが嫌いに思えたり、そのせいで「向いてない」「辞めたい」と悩むこともあるでしょう。責任のある仕事なので、年度途中に辞めにくいのが難しいところです。
しかし、本当に辞めたいなら年度途中に辞めても問題ありません。どうしても辞めにくい場合は、保育士でも退職代行を使って今すぐ辞められることを認識しておきましょう。
