「退職言うタイミングが掴めない…」
「退職をいつ切り出せばいいのか分からない…」
退職の意思を伝えるタイミングに、頭を抱える人は多いようです。確かに周りが忙しそうに働いている様子を見ると、なかなか退職を切り出せないのも無理はありません。
この記事では退職を言うベストなタイミングについて、また切り出すタイミングが掴めない時の対処法を徹底解説していきます。退職を言うタイミングに迷っている方はぜひ参考にしてください。

退職を言うタイミングは大きく3つ!
退社の第一歩となるのが「直属の上司に退職を伝える」ことです。退職を伝えるタイミングには、3つの重要なポイントがあります。
- 忙しくなる閑散期前
- 就業時間外
- 遅くても退社日の2週間前
それぞれのポイントを詳しく解説していきます。
1.忙しくなる繁忙期前
1つ目のポイントは「忙しくなる繁忙期前」に退職を言うということです。どんな会社でも業務の繁忙期は、猫の手も借りたい時期でしょう。そんな時期は社員に一人でも辞められると困るものです。上司の気持ちにも余裕がないうえに、業務の引き継ぎにも十分な時間が確保できません。
大きなプロジェクトが終了したタイミングや、毎年訪れる繁忙期の準備に入る前に退職を切り出すようにしましょう。ただ転職先の入社日などの都合で、どうしても繁忙期に伝えなければならないことも。
その場合には、「この忙しい時期に本当に申し訳ありません」と前置きしたうえで、退職の意思を伝えるようにするといいでしょう。
2.就業時間外
退職の意思を伝えるのは、就業時間外にするべきです。業務時間内は上司も忙しいので「今は忙しいから後にして」と流されてしまう可能性があるからです。
就業時間外、しかも他の同僚たちがいない場所で切り出すことをおすすめします。会社側にも組織運営上の都合があります。そのため、いつ頃同僚たちに退職を公表するのかは、会社の指示に従うべきです。
また就業時間外とはいえ、お酒の席で話すことは避けましょう。アルコールが入ると、冷静に話が出来なくなるうえに、お互いが感情的になり、トラブルに発展する可能性もあるからです。
3.遅くても退職日の2週間前
会社の就業規則で「退職の申告を〇ヶ月前までにしなければいけない」と定められているケースもあります。1ヶ月前や3ヶ月前など、規定はその会社によってさまざまです。
しかし会社の就業規則に関わらず、民法では、期間の定めのない雇用形態の場合、2週間前までに退職の申告をすれば退職できることになっています。
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
民法第627条1項
そのため、遅くとも退社日の2週間前には退職の意思を伝えるようにしましょう。ただ有給休暇が残っている場合や、業務の引き継ぎ等もありますので、できるだけ早く退職の意思を伝えることをおすすめします。
職種・雇用形態で変わるベストタイミング
ここまで記載してきたポイントは、基本的にどんな職種・雇用形態でも当てはまるものです。しかし厳密に言えば、職種や雇用形態によって、退職を言うのにベストなタイミングは異なってきます。
苦種別・雇用形態別にベストなタイミングを解説していきます。
職種別のタイミング
まずは職種別に、どのようなタイミングで退職を伝えるといいのかを解説していきます。
接客・販売・サービス業の場合
接客業や販売業、サービス業の場合は、特に「繁忙期」を意識して退職を言うことが求められます。繁忙期を控えている時期に退職を申し出ても「繁忙期が終わるまで待ってほしい」と言われてしまう可能性があるからです。
そして退職を伝える時は、お店の外や仕事が終わった後など、お客様がいないことを確認してください。
営業の場合
営業職の場合、期の終わりが退職を言うタイミングとしては最適です。本決算の月はそれぞれの会社で異なりますが、決算月には次期の数字出しや担当替えを行う会社が多い傾向にあります。
そのため数字の引き継ぎ等も、スムーズに行えるでしょう。期末まで待てないという方は、月の締め日を狙うのもおすすめです。締め日であれば、売上調整等もしやすいと言えるでしょう。本決算や月の締め日から逆算して、2~3ヶ月前には上司に退職を報告しておくとベストです。
教員などの場合
学校の先生や幼稚園の先生といった教育関係の仕事をされている方は、やはり3月末に退職するのが一般的です。生徒や保護者にも迷惑をかけずに済みますし、引き継ぎもスムーズに行うことができます。
次年度の担任や体制は、12月いっぱいで概ね決定しますので、11月頃の面談か12月中に退職の希望を伝えると、円満に退職できるはずです。
公務員の場合
学校の先生と同じく、公務員の場合も3月末に退職すると、周囲への迷惑を最低限にとどめることができます。退職を言うタイミングとしては、5~6月に行われる上半期の業績評価面談の時か、11月~12月に行われる人事異動に関する面談時がおすすめです。
その他の専門職
上記に挙げた以外の職業であっても、それぞれの職業の繁忙期前や区切りの時期に退職すると、円満に退職することができます。その時期から引き継ぎに必要な期間や有休消化期間を逆算していき、退職を言うのにベストなタイミングを見極めましょう。
反対に繁忙期はもちろん、まもなく産休に入る同僚がいる場合や、委員会等の活動をしているタイミングは避けたほうが無難です。
雇用形態別のタイミング
パート、契約社員、派遣社員等、雇用形態別によっても、退職を言う適切なタイミングは異なってきます。次は雇用形態別で退職を言うベストタイミングを解説していきます。
パートの場合
パートの場合は、基本的に就業規則に書かれた期限内に退職を申し出ると、会社に迷惑をかけずに退職することができます。しかし半年や1年など、契約期間を定めている場合には、原則その期間内の退職は避けるべきでしょう。
契約社員の場合
契約社員の場合、契約期間途中での退職は原則としてできません。契約満了のタイミングで退職を申告するのがベストです。しかし1年を超える契約を結んだ会社で、1年以上勤務している場合は、契約途中であっても退職希望を伝えることで退職が可能になります。
期間の定めのある労働契約(一定の事業の完了に必要な期間を定めるものを除き、その期間が1年を超えるものに限る。)を締結した労働者、労働基準法の一部を改正する法律附則第3条に規定する措置が講じられるまでの間、民法第628条の規定にかかわらず、当該労働契約の期間の初日から1年を経過した日以後においては、その使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができる。
労働基準法第137条
派遣社員の場合
派遣社員の場合、派遣会社から契約更新の意思確認があるケースがほとんどです。そのタイミングで退職を申し出るのがベストですが、ギリギリになってしまいそうであれば、契約終了の1ヶ月前までには伝えるようにしましょう。
退職を言うタイミングに注意する理由
「退職を言うタイミングに注意しないとどうなるのだろう?」
「退職を間違ったタイミングで伝えてはいけない理由は?」
退職を適切なタイミングで切り出すべきなのには、以下のような理由が挙げられます。
- スムーズに退社するため
- 会社に迷惑をかけないため
この項目ではそれぞれの理由について、詳しく解説していきます。
スムーズに退社するため
まず最初の理由は「スムーズに退社するため」でしょう。確かに退職のタイミングについて法律で決められているのは「2週間前まで」ということだけです。
しかし繁忙期で周囲が業務に勤しんでいる中、2週間前ギリギリに退職を切り出せばどうなるでしょうか?周りの士気も下がるでしょうし、上司や同僚から「非常識な辞め方をした人」というレッテルを貼られてしまいます。
今の会社が転職先では取引先になるかもしれませんし、同業の仕事だった場合は転職先にも悪評が伝わってしまう可能性もあるでしょう。そのため、適切なタイミングで退職を言うことで、できる限り円満に退職することが、自分のためにもなるのです。
会社に迷惑をかけないため
もう一つの理由が「会社に迷惑をかけないため」です。会社に何かしらの不満はあるかもしれませんが、今までお世話になってきた会社であることに変わりはありません。
あなたが退職することで、業務の引き継ぎやシフトの調整等、少なからず影響があることでしょう。これまで一緒に働いてきた同僚や後輩たちにできるだけ迷惑をかけないためにも、適切なタイミングで退職を切り出すのがマナーなのです。
切り出すタイミングが掴めない場合の対処法
「常に業務が忙しく、切り出すタイミングがない」
「タイミングを見計らっているうちに、1ヶ月を切ってしまって言いづらい」
ベストなタイミングで退職を言うのが大切なことだと頭では分かっていても、実際に退職を切り出すのは勇気のいることです。急な転職や体調不良等で、退職予定日まで1ヶ月を切ってしまい、切り出しづらいこともあるでしょう。
そういった場合は退職代行サービスを利用することをおすすめします。退職代行サービスは即日退職も可能なため、出勤しなくても退職できるように手筈を整えてくれます。
当サイトでは、退職代行サービスの特徴や概要を分かりやすくまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

タイミングが分かれば退職もスムーズになる!
退職を言うのにベストなタイミングや、どうしても切り出せない場合の対処法を詳しく解説してきました。円満退職するためにも、適切なタイミングで退職を切り出すことは大切です。
法律上で退職を切り出すタイミングについて細かなルールはありませんが、遅くとも2週間前までに切り出す必要があります。もしどうしても言いづらいと思うのであれば、退職代行サービスを利用するというのもひとつの方法です。後腐れなく退職し、転職先で新しいスタートを切りましょう!